仙人温泉トピックス

小屋番日記2015年7月18日〜31日
(高橋仙人 8月4日掲載)

(7月31日、晴れ)
異常な暑さだ。白馬岳から唐松岳まで靄とも霞とも言えない水蒸気がどんよりと停滞している。
6時半から朝食タイム。7時半から横になって、朝の休息。8時半から作業開始。食堂の床を撤去して基礎を打ち直し。根太を引いて床材を張る。言えば簡単なのだが、廃材の処理、基礎のコンクリート練り。その合間に洗濯。ガソリンをヘリポートから下ろす作業。
床材もヘリポートから下げる。結構忙しい。ヘリポートから合板を担ぎおろしていると、本日の宿泊者が到着。真砂沢ロッジから5時間とは早足だね。
12時半にソ―メンで昼食。30分横になって工事続行。室内の仕事だが汗が止まらない。熱中症一歩手前の状態だよ。
16時まで働いてから宿泊者の食事を作る。田中さんと交互に入浴をして、17時半から夕食開始。結構飲んで、何時に寝たのか思い出せない。

(7月30日、小雨)
全国的に晴れると言う天気予報なので多少の雨は心配でない。粛々と改築工事を進めるだけだ。
5時半に起床。小便をして発電機を回す。朝食は切り干し大根と豆腐の味噌汁。ビールに日本酒一合。飯少々。食器を洗って8時まで休息。
受付室の床を張り出したのが8時半。意外と手こずって、終了したのが11時。簡単ではありません。喉が渇いたのでビールを二本飲んだ。アルコール無しでは過ごせないのが、山小屋生活でしょうか。
食堂の床を解体し始めたのが14時。程なくして群馬の田中さん到着。すぐに風呂をと勧めて、仕事を続行する。やり切れない工事ではあるが、力の限り勤めなければ闘魂が泣いてしまうぜよ。
田中さんに夕食の用意をして貰って、17時ギリギリまで働く。一歩でも二歩でも先に進まなければならない。
汗をかいた後のビールは美味い。風呂前に二本、風呂上がりに二本飲んでしまった。田中さんは20時過ぎに就寝。食器の片付けをして、仙人も20時半に消灯。雲切り尾根に月が昇っていた。

(7月29日、晴れ)
本日は16日間滞在して登山道整備をしてくれた小森さんの下山日だ。
天気予報では一週間は晴れマ―クが続いている。登山道が開通するのは8月1日なので、それまでには荒仕事を終わらせたい。一人では厳しい 工程だけれど、まだガッツは衰えていない。
小森さんが小屋覗きのピークを越えたのを見送ってから朝食を済ませた。すぐに床の張り替え作業を始める。朽ちた床材を袋に詰めて焼却所まで運ぶ。
コンクリートを練って床の基礎を作る。十二カ所なので、コンクリートが足らなくならないように気を使った。13時半に基礎工事は終わった。
遅い昼飯は生卵入りの即席ラーメン。少し横になって休息をする。田中さんが明日から応援に来てくれるので心に余裕ができた。一人でも完遂させる覚悟はしている。が、だね。炊事、洗濯、ゴミ焼却、布団干し、そして大工事。身体が悲鳴を上げちゃうね。
16時半、作業終了。風呂に入ってビールを飲む。切り干し大根を煮る。レンジで温めるだけの餃子とお湯で温めるだけのおでんを肴に19時まで飲む。もう眠くなったので消灯。

(7月28日、雨)
午前2時過ぎだった。雷を伴った雨が降り出した。小便をしてまた、眠った。疲れていたので6時までぐっすり寝た。
雨は小降りながら、止む気配はない。朝飯はビールを飲みながらゆっくり9時までたのしんだ。洗濯物を干して、今日の予定を考えよう。
10時頃、池の平小屋から欅平に下山する単独の登山者が立ち寄った。その後ろ姿を見送ってから温泉の修理に行く
それにしても雪渓の残り具合が異常だ。雨が少ないためなのか、なかなか溶けない。温泉と小屋の行き来は楽だが、登山者は雪渓と登山道の使い分けに苦労しそうだ。
12時前に小屋に帰って、風呂の掃除をした。小森さんが明日下山なので、今日は池の平小屋までハイキングに行っている。帰ったらすぐ風呂に
入れるように、準備をしてから昼飯を食った。
壁の工事を始めた時に小森さん帰着。と同時に小雨が降り出す。交互に風呂に入ってからビールを飲む。日本酒も飲むと、18時前に酔ってしまった。
6時半、小森さん就寝。仙人は室内の壁を解体する。少し残業になったが、明日のために頑張った。

(7月27日、晴れ)
台風崩れの熱低が午後に近づくらしい。雨が心配だ。午前中になんとか格好をつけなければ……。
と思っていたら暑いのなんのって、もうやってられません。ギブアップ寸前です。日差しの強い屋根の上で仕事をするのは辛い。脚立に登ったり降りたりの回数が増えると、気力が萎えて横になろうかと思っちゃうね。
どうやら雨は夕方まで持ちそうだ。降らない間に屋根廻りの工事は終わらしたい。危険な仕事なので、闇雲に急げばいいと言うものではない。慎重、かつ迅速でなければならない。
昼に傾きは概ね修正できた。もう少し修正したいが、雨仕舞いができないので断念した。
これからが手間のかかる仕事なのだ。床の張り替え、壁の補修、棚の作り替えで二週間は欲しい。が与えられた日数は6日間。どこかで妥協しなければならない。とにかく、小屋が倒壊しない程度に留めておこう。
予約の宿泊者のために営業を開始できるようにしよう。

(7月26日、晴れ)
5時に起床。台風12号が27日に日本海に入って来ると言う予報なので、厭なムードだ。本日が食堂棟の大改修工事の初日なので、せめて3日間は晴れて欲しかった。
原田さんが屋根はがしを積極的にしてくれたので段取りが良い方向に廻り出した。
仙人は壁はがしと柱の補強。手押し機械で建物の傾きを修正する準備。原田さんと二人でワイヤーを梁に巻いてチールホールと言う手押し機械で引く。
わずかずつだが、建物が動き始めた。少しずつ、少しずつ慎重に引っ張る。1時間引くと20センチは戻った。直る、と言う感触が機械を通して身体一杯に感じられる。チールホールをもう一台追加して違う角度からも引く。じわりじわりと建物が正常の姿に近づいてくる。
嬉しいよ。
もう修理が完成するのは時間の問題だ、と思えてくる。ほっとしたのが16時半。剥がした屋根にシ―トをかける。壁にもシ―トをかける。雨仕舞いが終わった頃、小森さんが帰って来た。
風呂に入る。夕食の用意をする。洗濯をする。それからビール。日本酒を飲むとどっと疲れが出て眠くなる。
20時15分消灯。

(7月25日、薄曇り)
夕べは唐松と白馬岳の小屋の灯が久しぶりに見えた。天気は回復しているようだ。台風12号の影響は少なくて済みそうなのが嬉しいね。
深夜に水が止まった。宿泊者がいないので明るくなるまで布団の中でまどろんだ。
5時に水の修理に行く。割と短時間で直った。朝飯前の工事なので身体は楽だった。
宿泊棟の棚を作っていると10時に池の平小屋のスタッフが下山途中で立ち寄った。
14時に当小屋のスタッフ、原田さん到着。一風呂浴びてから、棚作りを手伝って貰った。一人より二人の方が作業は速い。17時に三カ所が仕上がった。
原田さんが担ぎ上げたハタハタと、自家製の枝豆で晩酌をする。話が弾んで少し、飲み過ぎた。

(7月24日、雨のち曇り)
5時に起床。雨は間断なく降っている。水も湯も止まっているが、宿泊者がいないので、焦らない。
ちょっとだけビールと日本酒を飲んで7時半に水の修理に出かける。小森さんは湯の修理と、登山道の整備。
水と湯が正常になったのが12時半。14時まで昼休みをして、午後の仕事に出る。雨は上がって陽射しが戻る。雨に濡れてする仕事より青空のしたで身体を動かした方が健康的だよ。
仕事を終えたのが17時。それから洗濯、炊事を掛け持ちでこなす。
19時に全てを終えて晩酌。だが、ですよ。疲れちゃってね。幾らも飲まないうちに眠くなりました。

(7月23日、大雨)
夜半にトタン屋根を叩く雨の音で目が覚めた。新人の下山日なので心配になったが、すぐに深い眠りに落ちた。
6時の朝食を済ませて、1時間ほど眠った。雨は強くなったり弱くなったりだが、間断なく降っている。
スタッフのM子さんの下山日だが、生憎の天気になってしまった。雨の様子を見ながら、11時にM子さんは出発した。雪渓から登山道の登り口の状態が心配だったので、見送りに行った。
雨が止まなかったので、本日の作業は終了してビールを飲んだ。長い昼食を終えて風呂に入った。何時でも、好きな時に風呂で汗をながせるのは嬉しい限りだよ。

(7月22日、晴れ)
暑い。山小屋にいても炎天下の仕事は暑い。無理をすると熱中症になりそうなので、水分補給と休息を心がけた。
新人スタッフは宿泊者のNさんと仙人峠まで出かけた。天気予報では昼から雨になりそうだったが、パラパラと降っただけで夜まで曇り空のままだった。
小森さんは登山道整備。仙人は女湯の屋根工事。と食堂棟の修理のために、ワイヤーロープを30メートル用意した。天気が安定したら大工事の始まりだ。
明日は朝から雨の予報なので、日陰のリンドウを移植した。

(7月21日、快晴)
雲一つない青空と言うにふさわしい天気だ。このまま10日ほど晴れの日が続いてくれることを祈る。
6時に下山する田中さんと入れ変わりで新人のスタッフが来山。女性なので雪渓の切れ目まで迎えに行った。
小屋を留守にしている間に予約のNさんが到着していた。常連さんなので夕食はスタッフと同じの賄い食でも我慢してくれそうだったが、いつも通りの夕食を用意できた。

(7月20日、晴れ)
今日は大阪の大西さんと東京の堀江さんが下山する日だ。二人とも自宅にもどれば、35℃を越える真夏日が待っている。
晴れると山小屋での仕事は俄かに多くなる。洗濯、布団干し、小屋の修理、登山道の草刈り。目が回るくらいの忙しさだ。

(7月19日、雨)
夜半は強い雨の音がした。が、です。疲れていたので外を見ることもなく、眠り続けた。
スタッフだけの時は7時が朝食タイム。雨では外仕事ができないので、ビールと日本酒をゆっくり飲んだ。
昼食が終わる頃、TOさんが到着。皆で歓談をして風呂に入ったり昼寝をして夕暮れまでつかの間の休日を過ごす。堀江さんが雨の止み間を見て食堂のドア―を取り付けてくれた。
夕食は大鍋のコ―ンチャウダ―と残りのカレーで済ませた。夜になっても細かい雨が降っている。

(7月18日、雨)
5時に目が覚めた。道路が濡れている。台風は衰えて日本海をうろついている。雨足は強くないので、予定通り出発をする。
定刻の9時半に黒部川と仙人谷の合流点から小屋に向かって歩き出した。
2時間歩くと山道は消えて、雪渓上を歩かなければならない。小屋まで30分ほど雪渓歩きが続く。谷にはギボシ、クルマユリ、キヌガサソウ、カタクリの花が咲いている。
小屋には12時半についた。簡単な昼食を済ませて温泉工事にとりかかる。小森、田中の両名が段取りをしてくれていたので、4時に温泉が使用できるようになった。
雨が上がったので全員で温泉に入る。露天風呂の記念写真を撮って夕食にする。温泉の開通を祝って乾杯をした。


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