仙人温泉小屋 トピックス

小屋番日記
8月4日〜9月2日
(高橋仙人 2016年8月29日&9月3日掲載)

2日。快晴。
昨晩は虫の声が賑やかだった。明け方まで鳴き通しだった。20時前に眠ると1時頃に目が覚めてしまう。寝付けない時は風呂に入る。自噴している温泉なので24時間入浴可能だ。5時にも入った。
能登半島にもクマがいて田んぼの畔道を歩いていると宿の主人が言っていた。
15時半に宇奈月に着いて、スーパーで山小屋の食料を買った。宿でビールを2本飲んで風呂に入る。18時から夕食。日本酒を二合飲んで明日の鋭気を養って眠った。

(下界では稲が実っている。もう直ぐ新米が出回る。)

9月1日。快晴。
今日も風のない良い天気だ。夜は涼しくてぐっすり眠れたが、日中は気温が高くなる。予報では34℃と報じている。
10時半に温泉の許可申請をしている保健所に行く。窓口は黒部市の新川厚生センターの衛生課だ。
山小屋での風呂場は8月17日に検査済み。申請書も提出済み。今回温泉の分析書を提出して手続きは終了した。許可証は10月に下山した時に受け取ればいい。
午後からは石川県七尾市の湯川温泉に宿泊する。ラドンの含有量の多い隠れた名湯なのだ。田んぼに囲まれた環境も静かで良い。海に近いので刺身、焼き魚、煮魚はどれも美味かった。

31日。快晴。
台風一過の晴天だ。気温もぐんぐん上昇している。真夏の暑さが戻ったようだ。
今日は小谷村の風吹荘に宿泊して日頃のストレスを解消するつもり。食事の用意と片付けをしなくて済むだけでも気分は明るくなる。
山小屋と自宅の生活ではない気楽な暮らし。もうゴ―ルが見えて来た人生の貴重な一日だ。18時からの夕食を19時半に済ませて、すぐに眠ってしまった。

30日。雨後晴れ。
台風は三陸地方に上陸しそうだ。関東地方には大きな被害をもたらすコ―スではない。
夕方に山仲間と会食の約束があるので、自宅でのんびりした。
18時から21時まで旧交を温めて、21時半に帰宅した。

29日。晴れ後雨。
朝のうちは小雨だったが9時を過ぎると青空が見えだした。
1月28日に運転していた車の事故で免停処分を受けた。8月16日の講習会に出席すれば処分が短縮されて、免許はその日のうちに返してくれるらしい。会場は大宮だった。
自宅に出頭命令書が届いたのは8月2日。女房が山小屋に電話で知らせてくれた。すぐに講習会の担当者に山小屋から電話をして、山小屋を経営しているので8月末までは下山出来ない、出頭出来るのは9月になって
からだ、と云う旨の申し立てをした。状況は受け入れて貰えた。
所沢から電車を乗り継いで、2時間ほどで行けるのだが、乗り方が解らない。仕事も遊びも車を利用している。電車は一年間で3回利用するかしないかである。乗り換えが4回あるのも少なからぬプレッシャーだった。
講習は9時10分から16時まで。昼休みは60分、他に10分ずつの休憩時間が確保されている。
無事に免許を返して貰って自宅に帰ったのは18時過ぎだった。

28日。晴れ。
台風が接近しているが、天気は悪くない。夏の強い日差しが眩しい。湿度も高いので汗がジワジワ出てくる。疲れていたのでエアコンのスイッチを入れて、一日中自宅で寝て暮らした。

27日。雨。
台風10号が近づいている。28日に下山する予定だったが、一日速く下山することにした。
3時までは土砂降りの雨だった。が、4時には小降りになった。牛乳缶とパケットでの朝食で腹拵えをして、5時過ぎに下山を開始した。
思ったより天気は悪くなかった。登山道は小雨が降程度で、下山を辛いと思うことはなかった。
欅平、宇奈月駅。電車から車に乗り換えて自宅に向かう。高速道路では少し眠くなったが何とか無事に自宅まで帰り着いた。

26日。快晴。
朝食は4時。3時にMさんが朝食の用意を始めてくれる。若い頃は3時に起床して仕事をするなんて考えられないよね。それが出来るようになった。要するに、年を取ったと云う事だ。
5時半までに二人は出発して行った。もう恒例になった朝寝をする。
台風の動きが予測し辛いので28日の下山日を一日繰り上げて27日にする。
スタッフの小森さん、15時前に到着。その寸前に大粒の雨が降って来た。予報では明日の朝まで降り続きそうだ。
小森さんとは1ヶ月ぶりの再会だ。積もる話はあるが、20時になると眠くなる。
定時消灯。

(温泉の出湯口に石を積みました。8/26 8:08撮影)

25日。快晴。
昨日の夜に小雨が降った。今日の天気が危ぶまれたが、快晴だ。
宿泊者は5時前に出発した。札幌からの単独登山者だったので少し心配だったが、足取りはしっかりしている。
朝食後にちょっと眠るつもりが8時半まで寝てしまった。
調理場の改修工事を始める。壁を剥がして床張りの段取りが着いたところでMさんに任せる。
仙人は風呂場の石積みに取りかかる。昨日用意して置いた石を運ぼうとしたら左手の小指を石と石の間に挟んでしまった。準備運動無しだから痛い思いをしても仕方がない。
昼前に作業を終了する。予約は無いが登山者は来るかも知れない。汗をかいた登山者はまず風呂に入りさっぱりしたいのが人情ですからね。
15時半まで読書をしていると登山者二人が宿泊の申し込みに来た。小指が痛むのでMさんに夕食の用意をお願いして別室で休憩をする。
ビールと日本酒を飲んで就寝。20時消灯。

24日。晴れ。
今日は調理場の食器棚を仕上げようと思う。スタッフだけの朝食を済ませて作業開始。食器をカゴに入れて食堂に移動する。
調理場の作業はMさんに任せて、仙人は風呂の石垣造りに取りかかる。本日は予約があるので風呂場の作業は13時を限りとする。
昼までは晴天だったので力仕事は汗が出る。12時半に仕事を終えて清掃をする。Mさんの作業は16時頃までかかりそうだ。
13時半、予約者が到着。本日の食事は仙人が用意して、Mさんには棚造るりに専念して貰う。
汗にまみれた身体を風呂で清潔にしてから夕食の食材を調理する。一人分なので余裕がある。
17時半に夕食スタート。宿泊者は疲れているので18時半に夕食が終わった。少し飲んで、20時消灯。

(リンドウの花が咲き出しました。平年より20 日はほど早い。8/24 10:43撮影)

23日。雨後晴れ。
午前2時になると、目が覚める。65歳を過ぎると8時間は眠っていられない。残り少ない人生を惜しむあまり、睡眠時間を無意識に削っているのだ。
2時にトイレに行くと、雨が降っていない。星が出ている。台風は北陸地方から遠ざかっているようだ。
朝食は4時だったので3時起床。炊飯器のスイッチをオンにして味噌汁を作っていると、強い雨が降って来た。
宿泊者は4時に食事を済ませて、しばらく雨の様子を見ると言う。雨の中を歩くのは憂鬱だよね。
8時になると雨は止んで青空が見えて来た。宿泊者は晴ればれとした顔で出発した。
本日の予約は無い。調理場の床を改修する絶好のチャンスだ。営業しながらの改修工事は時間の制限がある。遅くとも15時半までには作業を終えて、調理を開始できる状態に復旧しなければならない。けれど、宿泊者がいなければ、作業に集中できる。
夕方まで作業をして17時からスタッフ二人で食事をする。疲れが出て、20時の消灯前に布団に潜り込んだ。

22日。晴れ。
台風9号が湿った南の暖気を運んで来る。山小屋でも暑い!と感じる。9時の室内は24℃。涼しい環境に慣れた身体には応える。
宿泊者の食事は6時だった。3時に起床しなくても良いので精神的に楽だ。
北陸地方は15時頃から雨が降り出す、と予報官が言っている。台風の雨なので降水量は200ミリに達するらしい。谷に架けた橋が流されるかも知れない
14時に大粒の雨が落ちて来た。朝に真砂沢ロッジから電話予約のあった二人組が心配だ。
15時、予約の二人が到着。少し雨に降られたが、大過なしで良かった。
20時から白山のカモしかの生態を四季に渡って撮影した番組があったので、消灯は9時に延期した。

21日。曇り。
今年の前半は台風の発生が極端に少なかったので秋にまとめて発生しそうな気がしていた。多分、年間の降水量は決まっていて、前半少なければ後半が多くなってバランスを保つのだろう。
台風6、7、8、9、10、11号が10日間に発生している。何れも関東地方から東北地方の太平洋岸を北上している。北海道は台風の雨で河川が決壊している地域もある。9月の連休中に北陸地方を席巻して行く台風のない事を祈るのみである。
昼過ぎに明日の予約者がキャンセルの電話をかけて来た。北陸地方も明日、明後日は雨の予報なので登山を中止する人が多い。14時に本日の予約二人組がドタキャン。天気が下り坂だから仕方がない。15時半に予約者が到着。本日は一人だけの宿泊だ。Mさんに夕食を任せて横になる。
19時まで眠った。年齢のせいか、ウトウトする時間が多くなった。
夕食はラーメンを食った。昼過ぎに高校野球の決勝戦を観ながら飲んだために、夜は飲む気がしなかった。
サッカーの決勝戦も観たので消灯は20時半になった。

(仙人の朝飯。7/21 7:26撮影)

20日。晴れ。
今日は布団干しだ。と思ったら8時過ぎに少し雲が出てくる。宿泊者の布団は日を改めて干すことにして、自分達の布団を干して様子を見る。
日差しが時々雲に遮られたが11時まで干して部屋に収納した。昼飯の用意をしていると、ぱらぱらと雨が降って来た。屋根一杯に布団を干していたら忙しい思いをしたね
高校野球の準決勝戦を観てビールを飲む。甲子園は37℃の猛暑らしい。鍛えられた高校生だから耐えられるが、普通の社会人なら倒れるだろう。
15時に予約者が到着。16時までに到着してくれれば食事の用意はスムーズだ。
本日は夫婦二人だけの宿泊なので、夕食までゆっくり温泉を楽しんでもらった。
20時消灯。

19日。晴れ後曇り。
早立ちの人の食事は4時。その用意をするのには3時起床だ。まだ寒くはないので辛くはない。5時半に登山者が出発したので、少し朝寝をする。
Mさんは調理場の改修工事を始める。仙人はヘリポ―トの材木を小屋まで担ぎ下ろす。久しぶりの力仕事なので肩が痛む。材木整理を終えて、長い休息をした。
午後に読書をしていると山口県のSさんが到着。今日も来客があった。
夕餉時に三年前に来泊した時の写真を見たりして旧交を温めた。
20時消灯。

18日。晴れ後雨。
11時までは晴れていたが、昼前に雨が降り出した。雨の中をテント泊装備の女性が宿泊を申しこんで来た。
四国の人で、山歩きが大好きなんだって。富山県から静岡県まで走る山岳レースに女性としてたった一人参加したそうな。世の中には目を丸くしてしまう人が結構居る。
話が盛り上がったが、20時消灯。

17日。雨。台風7号が関東地方に接近している。大雨注意報が関東、東北、北海道地方に出ている。仙人谷も今日は小雨が降り続きそうだ。
予約の親子が15時に到着。ほどなくして素泊まりの男性も到着。夕餉時の歓談を終えて、眠りに就く。20時消灯。

16日。晴れ。
朝から気持ちの良い晴天だが、予報では夕方からまた雨になりそうだ。
5時から8時まで発電機を回してオリンピックを観る。
8時を過ぎると気温は急上昇。外で作業をすると汗が吹き出す。夏が復活したようだ。
14時に山口県の常連さんが到着。三年前の事を話していると少しずつ記憶がよみがえって来る。夕食時に話が弾んだが、消灯は定時の20時。

15日。曇り。
宿泊者の朝食は5時。天気は下り坂だが薄日が射している。予報は台風6号と7号が接近しているので大雨に注意を喚起している。
色々、様々なストレスは山小屋まで付き纏って来る。晴天の日ばかりではない。雨の日が三日も続けば雲切り新道から登山者の姿は消える。山小屋は開店休業に等しい。
雨は10時に降り出した。トタン屋根に雨粒が弾ける。衛星テレビも電波障害で映らない。
遅い昼飯を食い終わって身を持て余していると、登山者が到着。嬉しい。
15時になると晴れ間が戻った。どうやら台風は北陸地方にには接近しそうもない。
何時も通り20時消灯。

14日。晴れ。
昨日温泉の点検をしたので、お湯は安定している。が、水のパイプにバルブを付けるとすぐにパイプが外れてしまった。夕方にも外れたので少し慌てた。
今日は水の調子も良い。雪不足と雨不足だが水量は安定している。このまま下山日まで無事でいてくれる事を祈るばかりだ。
11時に予約の宿泊者が到着。温泉を楽しみながら登山をしていると言う。山と露天風呂。日本人の心は秘境の温泉で癒やされるのだね。
テレビでオリンピックを観て20時消灯。

13日。晴れ。
カラッとした晴天が続いている。天気は良くても登山道の状況が良くないので、心はジメジメしている。
昼過ぎに電気工事のHさんが到着。不良配線を安全な設備に改善してくれた。
予約の三人が食事をしていると、予約の無い登山者二人が到着。食事の用意が忙しかった。
20時消灯。

12日。晴れ。
台風の影響で崩れた天気も安定した。朝から暑くなりそうな晴天だ。
昨日届いたカツオとイカの刺身で朝から飲み始める。山小屋暮らしでは生魚が何よりのご馳走なんだ。
刺身が美味いので大分飲み過ぎた。登山者もいないので昼寝をゆっくりした。
夜はアルコールを絶った。飯も食わなかった。たまには胃袋を休ませないと、胃潰瘍になってしまう。
20時消灯。

11日。晴れ。
驚いた。6時半に偵察のヘリが飛来した。山の天気午後になると急変する時がある。今晴れていても昼過ぎには雷雨になる事もある。
7時に電話があってこれから荷物を届けます、と連絡があった。
「助かる、涼しい朝に荷物を運び下ろせれば身体が楽だ
8時過ぎに荷物は届いた。Mさんと手分けして昼前には小屋に収納できた。やれやれだ。
ビールで乾杯をしていると、大阪の大西さんと名古屋の君ちゃんが到着。そこで、再度乾杯。
少し飲み過ぎたが、8時消灯。

(ヘリが荷物を運んで来ました。8/11 7:33撮影)

10日。晴れ時々曇り。
早朝は素晴らしい天気だった。これならヘリは飛んで来るだろう、と思ったが連絡が無い。10時半に民間のヘリが室堂に向かうのが見えた。が連絡は無いし爆音も聞こえない。
昼を過ぎると雲が2000メートルまで降りてきた。14時半に荷上げ開始の電話があった。仙人谷は雲が充満していてヘリが飛べる状況ではない。結局荷上げは中止になった。
明日こそ、と思って20時に就寝。

9日。雨。
3時前に雨が降り出した。強い雨ではないが、視界は50メートルもない。これではヘリの荷揚げはできない。明日に順延だ。
欅平に向かう宿泊者は4時に朝食。5時前に出発して行った。連泊の登山者は7時半に池の平に向かった。

8日。晴れ。
山小屋の夜は涼しい。毛布と薄い布団を掛けて6時までぐっすり眠った。
8時からヘリで返送する荷物の整理をする。ヘリポ―トは炎天下なので作業中は汗が出る。明日が荷揚げの日なのだが、台風が関東地方に接近するので、天気が崩れそうだ。
昨日の疲れが残っているらしく身体がだるい。夜まで休息をする事にした。

7日。快晴。
仙人谷の登山道は9時を過ぎると猛烈な暑さになった。顔面の汗が止まらない。高気圧が停滞しているので風がない。
熱中症にならないように水分を補給してゆっくり登る。木陰の道は少し涼しいが、尾根の道はさながら炎熱地獄だ。息が上がって苦しくなる。心臓の鼓動が急になりだすと少し休息をする。鼓動が落ち着くと歩き出す。その繰り返しで二時間登るとピークに着いた。
小屋までの下りは息苦しいことはない。順調に30分下って小屋に帰り着いた。正午だった。
小屋の中で休息をしていても汗が止まらない。これは熱中症の初期症状だ、と思った。
汗に濡れた服と下着の洗濯をして、布団で横になった。夕方まで休息をして、夕食は冷たいソーメンを食って眠った。
20時消灯。

6日。快晴。
今日も暑い。空を飛んでいる鳥が、焼き鳥になって落ちてきそうだ。
上市町に以前小屋開けを手伝ってくれていた人の家を資材置き場に使わせて貰っている。ヘリは室堂から飛ぶ。室堂まではアルペンル―トの立ち入り許可証を持っている運送会社が輸送を専門にしている。山小屋の食料品、燃料、木材は立山町の運送会社に運べば室堂からのヘリの便に間に合わせてくれるのだ。
15時に資材の梱包と運搬を終わらせた。

5日。快晴。
この夏一番の暑さだ。朝から汗が流れる。
荷上げの品物の買い出しに走る。車内はエアコンなしではいられない。今までが思ったよりも涼しい夏だったので34℃の暑さに身体が順応できない。無理をしないで2日間かける積もりで作業を切り上げた。

8月4日。晴れ。
太平洋高気圧ではないが、日本海高気圧に北陸地方は覆われて暑い。5時過ぎに下山開始。15分の登りで汗が身体中から吹き出す。去年痛めた左足の調子が悪い。臀部から膝にかけて痺れる。
下りになると左足で踏ん張れないためにバランスが良くない。よろめく事、しばしば。年齢のせいもあるが、ちょっと自分自身が情けない。
その日の晩は足の筋肉痛で夜が辛かった。


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